2019年6月号

『決勝を終えて。』
ー 県総体 決勝  

準決勝のあと“みなサカ”大森さんのツイートを見て、あーそういえばそうだったか…と。アンガクは県総体に限って言えば決勝の舞台に5年連続進出。昨年度まで4回連続でカピタニオと戦い、今年度は豊川と。しかし私と部員にそんな感覚はまるで無い。とてつもない大きな大きな山を全員の力と思いで乗り越えて、やっと返り咲いたファイナルの舞台、という感覚だけ。前半は圧され、後半は盛り返し、第三者的に見るとかなり興味深い決勝であったと思う。

部員一同は本当に頑張った。控えに回った選手を含めて、スタッフ役に徹してくれた部員を含めて、その存在すべてが私は誇らしい。もちろん弱いところもあるがそれも含めて。そして口論義の観客席にこれほどの部員家族とOGや友人らが大挙してくれたことも初めてだった。誰もが総体初優勝を期待し、ピッチの選手を後押ししてくれた。このことも本当に嬉しく思う。

前半20分、失点。それまで機能した守備がわずかに遅れてしまった。豊川のフィニッシュが素晴らしかったが、その前に出来ることもあった。ただ、そのあとに崩れることなく、前半残り時間、しっかり戦い抜いたところは評価すべきポイント。

後半2分、同点弾。サイドのアグレッシブさが相手の偏りを誘いビッグチャンスを呼び込んだ。そして決め切ったのはほのか。黒子役に徹するシーンが多かった今大会だったが、大事な場面で決めるとはやはり持ってる、か。一気に雰囲気を変えた瞬間。

後半33分、失点。しっかり集中していた中で振り切られてしまった。改善すべき細かな点がいくつか重なり、そこを思い切り突かれてしまった。

後半、何度か追加点を匂わせるシーンを演出できたのは、この総体期間を通じて成長できたところ。根気良さが出てきたのか、悪癖だった連続失点は一度もなかった。ハーフタイムで息切れしてしまうところも皆の意識でずいぶん改善。攻撃的な守備も個の持ち味にとどまらず明確なチームの色になってきた。

最近、紅白戦における熱の帯び方が凄まじい。トップ対セカンドという図式は見方によっては残酷かもしれない。しかしセカンドにはセカンドの存在意義とプライドがあり、決して安易な失点はしない。トップの選手も意地を見せ、ルーズボールへの攻防は公式戦のそれと見違うレベルだ(下手したら公式戦よりもアツいかもしれない)。それでもトップメンバーはやはり得点を決める。それに対してセカンドは次は食い止めようと再び躍起になる。時にはセカンドのプレーがトップメンバーのヒントにもなる(部員のサッカーノートにはトップセカンドに関わらず、どんどん仲間の名前と刺激を受けたプレーが出てくる)。互いに存在を認め合い切磋琢磨する姿勢が今のアンガクをつくっている。

もう一息、チームを強くしたい。一丸となって戦う集団でありたい。 
個としての水準は色々だ。正直、全員が飛び抜けて上手な訳では無い。
足が遅かったり利き足しか蹴れなかったり緊張して泣いてしまったり。
やれるはずのことが出来ず、私に一喝されることも、未だある。
そして再び、頑張るのだ。

これからも、真剣に、県優勝と全国大会出場を目指す毎日を過ごしたい。
アンガク女子サッカー部の存在意義は、そこにある。

自分の、自分たちの、過ごした時間と経験にプライドを。
時間と経験をまだまだ積み上げていく覚悟を。

誇りは勝者だけのものでは無い。