2017年8月。

『過去と自分は変えられないが未来と自分は変えられる。』ラルフ・エマーソン(哲学者)
ー 北陸、高校リーグ、見学会 

今日は8月30日(おーい、宿題終わったか??)。県高校1部リーグが第1節から第4節まで進んだ。振り返れば台風5号を追いかけるように出発した北陸遠征も収穫が多かったように思う。皇后杯もなんとか順調な滑り出し。体験入部では今年も大勢の中学生が本校を訪れてくれた。一ヶ月を駆け足で振り返る。

1日、リーグ第1節はvs同朋。7月県大会で初タイトル獲得…とはいえまだまだ発展途上のアンガク。主力が数枚欠けた試合は決定機の難しさを増幅させた。結果、スコアレスドロー。同朋の奮闘を讃えつつ内容も結果も不甲斐なかったことを真摯に受け止める試合であった。

それにしても今年の雨は急激で猛烈だった。8日からの北陸遠征は時間を遅らせ辛うじて出発。道中は天気図とにらめっこしながら順調だったが石川県金沢市の北陸大学に到着した頃、とうとう台風5号と合流を果たす(笑)。恐怖すら感じるほどの雨量+予定時間直前の雷警報発令。結果、初日はW-UPだけになってしまった。
二日目、まず村田女子(東京)のベストメンバーと対戦。皇后杯都大会では十文字とともに高校代表権を獲得。愛知より一足早い高校選手権都大会でも順調に上位4校の決勝リーグ進出を決めている。雲の上の存在である村田女子だが、アンガクとの試合にいつもベストの顔ぶれを揃えてくれる矢代先生には心から感謝しかない。全国レベルの物差しで今のチーム力を計る瞬間。パススピード、シンキングスピード、ランニングスピード…あらゆるスピードで凌駕された。そして激しくも正確なプレーの連続。今回の対戦もまた完敗だった。35分2本で計0-5。ただ、前回の対戦で二桁失点を喫したことを思えば…堪える力は少しついてきた、としておこう。同日午後には大阪学芸。ガンバやセレッソ、ヴィッセルなどでも指揮してきた副島監督が率いる強豪である。ここ北陸でお会いし言葉を交わせる回数が増えてきたも大変嬉しいことである。今年度も大阪府で4強の一角から全国を見据えた戦いを展開する学芸のトップチームと対戦。質の高い個とグループに舌を巻いた。0-4。それにしても東京と大阪の強豪、しかもそのトップチームと対戦できる喜びは本当に大きい。北陸大学サッカー部の越田総監督、そして女子サッカー部渡辺監督がこのような成長のチャンスを与えてくれる。この御恩に…結果で報いたい…。
三日目は徳島選抜と対戦。鳴門渦潮高校の吉成先生とは今回が初見である。次年度国体を見越したチーム編成であり年代的に若い構成とのこと。とはいえすでにコレクティブな戦い方を実践しており、さすが徳島県を代表する技術レベルの高さに驚き、また吉成先生ならではの指導の成せる技だとも感じた。それにしても非常に質の高い選抜チームであった。ちなみに今後もしアンガクの四国遠征が実現すれば、この時の雑談を吉成先生が頭の片隅に残してくださっている証拠である。楽しみにしておこう!
最初の1本は1年生初心者を含めたセカンドメンバーで、しかし全力のチャレンジ。35分間で茫然自失の11失点は試合後涙が止まらない経験。しかしいつか〝あの試合があったから今があるね〟と言えるように成長を目指せられれば…それで良い。続いて互いにTOPメンバーのガチンコ勝負を挑む。前半は見応えあるスピーディーな攻防を繰り広げて結果スコアレス。後半に入り、ゴール前のシーンを増やせたものの平均値の高い徳島選抜にボール支配を許してしまう展開。それでも決勝点はリカのダイナミックなボレー。ただ、左サイドから叩き込んだのにはベンチも蹴った本人も驚愕だった(笑)。1-0、真剣勝負だったからこそ、価値ある勝利。
最終日は京都精華。同じピッチ、同じ試合時間。結果うんぬんだけでなく、目的意識を持って意欲的に取り組むこと。対戦相手をリスペクトし自分自身にチャレンジし続けることが正しい自己肯定感に繋がり、その結果として良いトレーニングになるのではないか。そんなことを考えさせられる70分間であった。7-1でフィニッシュ。

帰り道中は毎度恒例の高山観光。高山らーめんに舌鼓を打ち、土産物屋に奔走する。アンガクの動き出しの良さと視野の確保はここで養われる(ウソである)。ピッチや宿舎ではなかなか見せないノンビリかつ笑顔の絶えない時間も今後のエネルギーになる。なでしこジャパンのDVDを鑑賞しつつ一路、安城へ。

17日、高校リーグ第2節vs椙山女学園。試合前には三浦先生と今夏の様子を交流。あーだこーだと途切れないコトバからなんとなく伝わってくるのは虎視眈々とチーム再上昇の機会をうかがう姿勢。クールなふりをしているがアツい男なのである(きっと)。試合内容は五分以上に進めるものの椙山主力の奮闘も素晴らしく、簡単には点を取らせてくれない。しかしそれでもアンガクにこじ開ける力が付きつつあるのもまた事実。前半26分にレオナ、後半9分にリノ、続く11分にミサトの追加点で計3-0。

皇后杯開幕直前の25日と26日は学校見学会。2日間で合わせて2600名ほどの中学生が本校を訪れてくれた(中学校先生方、保護者の皆様、暑い中お疲れ様でしたm(_ _)m)。女子サッカー部の部活動体験には25名が参加。限られた時間であったが、それぞれが楽しくそして和気藹々とプレーしてくれたことが本当に嬉しい。得点後のハイタッチも笑顔になるきっかけになっていた。それにしてもサッカー経験者の増加が大変目立つ。見学会のミニゲームでここまで〝サッカー〟になるとは…正直思っていなかった。もちろんボールを蹴ると同時にシューズが飛んでいくズッコケ場面は今年もやはり健在であった(笑)。中にはすでに本校女子サッカー部で見学等したという人もおり、それぞれが高校生部員のお姉さん(?)と何やら楽しげに会話していた様子も印象的。とても大切な3年間をどこでどう過ごすか、中学3年生の皆さんにはじっくり考えてもらい、悔いのない進路選択をしてもらいたいと切に願う。

27日、皇后杯初戦。瀬戸フィオレンティーナとの対戦。前半4-1、後半5-0の計9-1で勝利。
対戦する前からある程度分かっていたことだが、試合終了まで真剣勝負をして改めて確信した。それは、現在の瀬戸が〝選手が指導者を信じて(その逆もまた当然)〟〝正しい成長曲線を描いている(あるいは描こうとしている)個の集まり〟だということ、そして〝力を出し惜しみしない纏まりのある集団〟だということ。アンガクの攻撃面で良い部分が表現できた試合ではあったが、ピッチの主役はアンガクだけではなかった。攻守に見応えがあり何よりも最後まで得点の機会を自力で模索してくる戦いぶりは中学生主体のチームとは思えないほどであった。年代を超えてリスペクトできる出会いに感謝。

29日は高校リーグ第3節vs聖カピタニオ。約一ヶ月ぶりの対決は前半の2失点が痛かった。後半の立ち上がり3分、ボール奪取からナツキが見事なシュートを決めて1-2にするも、後半19分、セットプレーから跳ね返したボールが#10の正面に向かってしまった。これも〝もってる〟ということなのか…。ただ、あのシーンを偶然で済ませる気は無い。大振りせずにコンパクトな足の振りを瞬間的に選択してくるところに高い技術を認め、アンガクはそこにすら対応できるチームにならなければいけない。その後も得点を目指すが及ばず。1-3の敗戦。
夏休みラストゲームは30日のvs至学館。高校リーグ第4節。
前半は相手の持ち味を受け止めながら好機を探るような展開。決定機を多く作れなかったのは小さなミスが連鎖的に生まれたため、と分析。改善点を論理的に明確化する。ただ、あまり良くない内容だった前半を悪いなりにも無失点で終えたのは、そういう力もついてきたと言ってもいい。
0-0で迎えた後半はミスを恐れないアグレッシブさを徐々に取り戻せたかと思う。CKから落ち着いて展開し、最後は主将のリノがしっかり決めきったところはさすが。続いて、難易度の高い距離と角度を攻略したしたのはナナカ。結果、きっちり立て直して上がり調子の至学館に2-0。夏休みの最後に、また良い課題を与えてもらった。

今日は日付変わって31日(何時間かかって独り言しているのやら…苦笑)。フル代表がロシア大会の切符を見事獲得。本当に良かった。6大会連続で本大会出場だなんて私が学生時代には想像すらしたこと無かった…。ドーハの悲劇の頃のようにテレビに向かって叫ぶことはもうないけれど(笑)、それでも2得点の瞬間は独り言が少し大きくなってしまった。

さあ、明日からまたトレーニング。創部当初には想像すら出来なかったステージに向かって。