2017年7月。
『努力する人は希望を語り、怠ける人は不満を語る』 井上靖(作家)
ー 県高校女子サッカー大会 優勝 ー
創部12年目、とうとう初めて県大会優勝を達成。これまで応援してくれた皆さんに少しでも恩返しになっただろうか。喜びを感じつつすぐに前を向いて進んで行く。これからもアンガクを宜しくお願いします。
7月8日はLiga東海第3節、vs東海大静岡翔洋。静岡県新人戦では3位に入るなど、静岡県内で一気に躍進を遂げているチーム。この日は名古屋経済大学フェスティバルの時間と会場を間借りするカタチで実施(三壁さんありがとー!)。翔洋にとってはこの日のオープニングゲームでなかったせいかスターティングメンバーは多様な人材を起用してきたと思う。前半を2-0で折り返す。後半開始から一気にメンバーを変え、攻勢を仕掛けてくるところはさすが翔洋、中盤からディフェンスラインにかけて大変な苦労を強いられる場面も多かった。それでも大きく崩れることなく勝利を収められたのは今後大きな自信になるはず。後半1-1、トータル3-1。
同日、その後は聖和学園と30分1本。全国レベルを体感出来るこの機会を逃すまいとセカンドメンバーも奮闘。県内だけではなかなか味わえない大ピンチの連続は〝井の中の蛙〟をしっかり戒めてくれる。
7月9日、予選リーグ第1節vs春日井商業。ナツキのゴールを皮切りに前半5点後半6点(ナツキ2、ナナカ4、リカ、リオ、レオナ2、リノ)を叩き出した。歯車の噛み合わせを確認しながら一試合を通じて展開できるようになったのは成長の証である。
15日は予選リーグ第2節、岩倉総合と対戦。謙虚で爽やかな岩倉総合イレブンには佐伯師匠の魂が宿っている。そんな対戦相手にこちらも全力で挑む。前節のゴールラッシュの波に乗れなかったことを大いに悔やんでいたミサトのハットトリック、そして後半から中盤にポジションを変えたリオもハットトリックで充実した試合に華を添えた。岩倉総合は途中、日差しの強さにも苦しんだのか、ピッチ上に立つ人数が減ってしまう事態に。それでもDFラインを中心に必死で食らいついてくる。本当に素晴らしいファイティングスピリットだった。そんな中、この試合を締めたのは後半31分、公式戦初得点のユイ。これにはベンチに下がっていた主力も大喜び。チーム全員の力で今大会も予選リーグ首位で決勝トーナメント進出を決めることができた(ナナカ2、リノ、リカ、タマミ)。
7月17日はLiga東海第4節、vs磐田東。1年ぶりに訪れるアウェー。この試合は今更ながら昨年度東海プリンセスの入替戦を兼ねており、勝って1部昇格を決めたいところであった。志高く戦うも前半1-2、後半0-1の計1-3で敗戦。前半早々、レオナのパワフルなシュートが決まり先制。その後中盤で攻守の攻防が続くも追加点の匂いはせず。逆に自陣でイージーミスをしてしまった。気持ちが強かった分、失点につながったミスのダメージが大きかったようだ。自ら戦意を喪失するような戦い方をしてしまったチームを変えるべくハーフタイムを使う。すると後半は打って変わって攻守ともにアグレッシブな内容に。中央から、そしてアウトサイドからと決定的なシーンは前半より圧倒的に増えたことが素晴らしかった。そこで決めきれなかったことは悔やむべきだが、そのシーンを生み出すための工夫と判断を表現できるように変化したことを評価する方が間違いなく次に繋がる。
決勝トーナメント1回戦はシードされ、22日に準々決勝、対旭丘。会場は素晴らしい天然芝の豊田球技場。旭丘の諦めないプレーぶりは試合前から当然わかっていた。それをどう跳ね返し続けるか、が試合の焦点。普段は複数選手で得点を積み重ねることが多いがこの試合はレオナの日だった。1PKを含む5ゴール。圧巻の活躍で勝負をモノにした。ちなみにもう1得点は短い時間でも仕事をするともっぱら評判(?)のタマミである。
24日、準決勝。対するは豊川。個の力を警戒する必要があった。試合は前半から押し気味に展開。開始直後のCKなど決定機を外したが流れは維持したかに見えた。しかしなんでもない場面で痛恨のミスが響き、あっけなく速攻を許してしまう。まるでVTRを見ているかのような同じ展開で2失点。0-2で前半を折り返した。
2点のビハインドで迎えるハーフタイムは、あまり経験がない。それにしても意外なほど顔が上がっていた。もちろん疲労の色は見えたが、それ以上に伝わってくるのはいかにして点を取るかという意気込み。そしてメンバーそれぞれが思いを共有しようとしている表情。0-2が苦しい展開なのは変わらないが、この時点で悲観する材料はほとんど無かったと言っていい。
後半1点目は8分、得意の形から裏へ抜け出したレオナ。難しい角度も本人にとっては射程距離。これで1点差。22分には中央でナツキの見事な動き、そしてミサトのスルーパス。反応したのはまたもやレオナ。連携からフィニッシュまでパーフェクトなシーン。これで2-2。守備をしっかり修正した上でビハインドに追いつくという難しいミッションをやり遂げた。
試合はその後、豊川の猛攻を受ける時間もあったがGKイマミサとチーム全体の守備意識で防ぎきり、延長へ。
延長前後半も攻守に激しい時間が続いた。ここまでのハードワークがたたり足が止まり始める。思い通りに動くことができない。しかしこれは対する豊川も同じ。観客も固唾を呑んで見守るほどの両チーム見事な戦い。結果、延長0-0でPK戦に突入。
PK戦で10人目まで進んだのは創部初。10人目のキッカーとして仲間から指名されたGKイマミサがしっかり決め切り、その直後に完璧なシュートストップ。これで試合終了。長い戦いに終止符を打ち、歓喜の輪が広がった。県総体に続き今年度2度目のファイナリストに決定。
7月25日、決勝。安城学園対聖カピタニオ。全国総体を数日後に控える愛知県王者に対し、最高のチャレンジを決意。
前半5分、セットプレー。ナナカのキックも素晴らしかった。飛び込んだのはレオナ。流石のカピタも反応できず。先制。
前半は1-0で折り返す最高の展開。
後半8分、セットプレー。一度は対応するもペナルティーエリアでスペースを作れば見逃すカピタではない。GKイマミサが全力で横っ飛びも一瞬およばず。1-1。
決定的なピンチを幾度も凌ぎ、時折気の利いたカウンターを仕掛ける。その繰り返し。前後半のせめぎ合いは60分間で決着つかず。第1回目となる記念すべき今大会で、おそらく高体連県大会決勝で初の延長突入。
それにしてもグランドにほとばしる闘争心は本当に素晴らしかった。チームも個人も互いを認め、相手を尊重するからこそ全力で抗うことが出来たのだ。アンガクを最も理解しようとするカピタニオ。カピタニオの凄さを最も知っているアンガク。
本当に良い決勝だったと思う。
延長前半4分。2度目か3度目の雷鳴で主審の永井先生が高体連規定に基づき試合の一時中断を決断。両チームの全部員、応援保護者など名経大の体育館に避難。ピッチには審判団と多田先生、梶野先生、そして中野が残る。
一時中断から1時間を越えた頃、再開のメドが立たないと判断。大会規定に基づき両校優勝と両チームに伝えられ表彰式が行われた。
1日置いて27日、トレーニング再開。優勝は嬉しいが、余韻に浸る気は全く無い。痛みを抱える部員は多いが、それでもやるべき課題は山積みだ。28日には甲府商業(山梨)を迎えて実戦。30日は東邦大に出向く。
アンガクが再開した27日、カピタは愛知を出発。
頑張れカピタ。頑張れ多田っち。みんなで応援しているよ〜!