2014年8月Part1。
総走行距離 1638km。
前述の清水レディースカップ参戦からプリンセスリーグ2部の連戦、そして関東チャレンジを経て夏の前半戦を終えることが出来た。7月26日から8月8日までの14日間。合間に戻ってくることでその都度それなりのリフレッシュが出来たおかげか疲弊しきることなく、気持ちを切らすことなくプレーできたことが良かったと思う。とはいえその間に安城でゲームもやっているので14日間のうち11日間でゲーム実施。多くの方の協力あってこのようなスケジュールを実行できたことを、まずもって感謝したい。タイトルの数値はこの14日間のマイクロバスの総走行距離。正直言うと首都高で迷ったりしたので…もう少し走っているような気がするが(笑)。ちょっと気になって調べてみたら〝青森県庁から山口県庁まで〟とか〝東京から本州最北端の往復〟くらい、らしい。いやいやいや…事前にコレを知らなくて良かった(苦笑)。
プリンセス2連戦。
第2節として桐陽高校と、第3節として磐田北高校と対戦してきた。桐陽高校については昨年の東海大会(高校選手権)で聖カピタニオとの対戦を拝見したことがある程度。吉岡先生とは過去にU-18東海トレセンのお手伝いや滋賀ルネスでのTMで同席し、少しお話をさせて頂いたことがあった(今回は全国総体のお仕事があるとのことで残念ながらお会いできず)。磐田北とは2008年夏以来の対戦になると思う。6年前である。実はチームとして初めて県境を越えて遠征したのがこのとき。当時中心であった3期生の緊張感を改めて思い出す。あのときには全くもって歯が立たなかった。さて今回は…。
桐陽戦。持ち味だと思われる中盤での素早いチェックに大いに戸惑ってしまった。相手ながら素晴らしいハードワークであった。それへの対処法をゲーム中にうまく準備できなかったことが試合通じて劣勢に運ぶ主な原因であった。アンラッキーゴールも被弾したが、不慣れなピッチのせいにしたり、互いのミスを互いに支え合う気持ちを見失った瞬間があったことを見逃してはならない。アンガクには珍しい、心が負けてしまったゲームであった。後半、セットプレーからゆきよが狙い澄ました見事なゴール。チーム全体も何とか持ち直したものの幾度かあったチャンスに決めきれなかったのはやはり前半の影響か。前半0-4、後半1-0で1-4。
磐田北戦。率いる二俣先生はJでのジャッジ経験があるほどのプロフェッショナルであり、全てにおいて学ばなけれないけない。私が自分自身にそう言い聞かせて挑む一戦。部員は前日の反省を真正面から受け止め、真摯に取り組む強い意識。昨日とは違い、キックオフからいつも通りボールを大切にする展開を見せるアンガク。しかし数度あったビッグチャンスをモノに出来ず前半を終える。後半に入り、徐々に磐田北のペース。半ばを過ぎたころ、セットプレーから隙を突かれ失点。その後、一進一退の攻防を見せるが得点を奪えなかった。前半0-0、後半0-1で0-1。自分たちの目指しているサッカーに対する表現力が不足していたことに悔いが残る2連戦であった。今思えば、少し受けて立とうとしたところがあったのかもしれない。謙虚さが欠けていたのかもしれない。挑戦心が不足していたのかもしれない。ある意味ではアンガク女子サッカー部にとって6年前に分岐点となったこの地で、このままではだめだよ、と教えてもらったのかもしれない。
関東チャレンジ。
現3年生は3年連続でこのチャレンジを経験することになった。恵まれた学年だとも思う。全国大会に一度も出場していないのに各地を転戦することで全国レベルを経験する。そんな機会を3年前から関東に求めた。初日、そのきっかけになった村田女子との再戦が叶った。昨年度の全国総体を制したチーム。この対戦に合わせてわざわざ茨城県神栖の素晴らしいピッチを準備していただいた。矢代先生には本当に感謝の言葉しかない。対戦したのは遠征中のトップチーム。東京都の皇后杯を制したベストメンバーに対し、劣勢ながら必死でもがくアンガク。歯が立たないのは承知の上で、しかし〝今できる全力〟をピッチで表現。30分で3つのゴールを許したが、ピッチ上の全ての時間、全てのプレーに他では絶対に経験できない学びがあった。続いて作陽。同日、直前まで全国総体に出場しているトップチームの応援に出向いていたセカンドチーム。願い届かず無念の3位という一報が入ったが、それでも全国3位、しかも2年連続である。そんな作陽のセカンドは無論、質が高い。1本目こそ互角にやりあえる時間帯もあった(0-1)が、より質の高いメンバーに変更してきた2本目で3失点。やるべきことをしっかりやり切る力をもつ作陽をリスペクトしつつ、やはり悔しい。ゲーム映像をすぐに見てミーティングで修正点を確認。疲労が隠せない中でも納得の表情を見せてくれた部員たち。その夜に提出された部ノートには失点の要因を自分たちなりに分析する内容が目立った。
2日目には関東チャレンジ初となる埼玉でのゲーム。対戦したのは埼玉県総体を制した浦和西。顧問先生の愛情と情熱が溢れる大宮南。そして本校OGのかおりが所属し、今回のマッチメークをお世話になった日本女子体育大学(ニチジョ)。ピッチ上の全てに挑戦と失敗と成功が存在する、意義深い1日であった。そんな中でも酒井先生に鍛えられた浦和西
は素晴らしく、アンガクは後手後手に回る時間帯もあり反省材料の多いゲームになってしまった。またそんなアンガクのふがいない戦いぶりを見たうえでもトップメンバーで迎えてくれた須甲先生率いるニチジョには感謝するしかない。立ち向かうアンガクもフルコンディションではないが全力で挑戦する。立ち上がり、ミドルシュートやシンプルかつ正確な展開で押し込んでくるニチジョに対するアンガク。我慢しつつも数度の惜しいチャンスを決めきれず、逆に決定機を決められた。0-1。しかしナイスゲーム。その後の浦和西戦も内容的に何とか持ち直し、スコアも1-0で終えることが出来た。試合後、浦和西の酒井先生と短いながらも改めてお礼を兼ねて言葉を交わす。またぜひ埼玉にお邪魔したい、勉強させていただきたい、挑戦したい、と正直な気持ちを私が伝えるとオープンマインドな笑顔と力強い握手をいただけた。多少なりともアンガクが認めてもらえたのかもしれない。
3日目は昨年に引き続いての芦花高校。そして再びニチジョ。芦花は東京都1部で経験を積んでいるところから見ても充実がうかがえる。昨年お世話になった浜上先生が顧問を変わられたと聞いたときは驚き、残念だったがこれも公立高校の宿命かな…と自分を納得させたのだが。実は試合後、洗い場で偶然一緒になった芦花の部員に浜上先生ってどこに…と水を向けると「あ、たぶん教官室にいるから呼んできましょーか?」と言われた(笑)。まさか居らっしゃるとは思わず慌てて断ってしまった。今、猛烈に後悔している…。ご挨拶すべきだった…。ゲームはニチジョとの対戦にトップチームがチャレンジ。セカンドのメンバーも前日の大宮南との経験から更に良い内容を目指して芦花とマッチアップを繰り広げた。
そして遠征最終日。稲城に移動して若葉総合との対戦。昨年も対戦し、多くの学びをさせて頂いた好チームだった。今年度は全国総体東京開催のため準備段階から責任者的役割を担う顧問の三浦先生が多忙なため部顧問を降り、現在は後藤先生が率いている。また外部コーチの方との再会も私自身、大きな楽しみの一つであった(この方も本当にオープンマインド。私との年齢差を忘れるほどに情熱的で、知的で、そして面白い。もちろんいい意味で。)。試合は個々の能力と経験値は明らかにアンガクよりあると思われる若葉総合に対し、モチベーション高いアンガクが狙いを明確にしたサッカーを展開。遠征最終日であるにも関わらず、また怪我のために満足なプレーが出来ない選手もいる中、出場した部員が上々のパフォーマンスで攻守ともにまずまずの出来。結果こそ3本で2勝1分(得点3失点1)だったが結果以上に充実の内容だった。
今回の遠征ではいろいろと思うところがあった。
『良いゲーム経験をするには互いのチームをリスペクトするだけではなく正しいジャッジをしようと努力する審判が必要だ』ということ。結果的に誤ったジャッジが発生することはもちろんある。しかしそんなことは全く問題ではない(実際に私自身が失敗して迷惑をかけることもあるし仲間が失敗することもある。見る角度が違えば異なる判断もありうるのだと受け入れるべきである。まさに学び続けるしかないことである)。大事なことは正しいジャッジをしようと努力することではないだろうか。もしファールを見逃し続けると、その選手は絶対に同じ間違いをする。頻度によってはそのプレーがファールではないと勘違いしてしまうかもしれない。そして公式戦の大事な場面で同じファールをして自分の大事なチームを敗北に導くことになる…かもしれない。練習試合だからと言って明らかなファールに対し笛を吹かなければ…そんなことになってしまわないだろうか。そして、もし、そのジャッジを部員にトライさせるなら、私ならミスをミスとして指導する。もちろん、基本的にはまともに出来るようになるまでは自チームの紅白戦など限定した場面で吹いてもらうことになろう。ミスを恐れてはいけない。しかし同じくらい大事なのはミスをしないように努力をすることだと、私は自分の部員に教えている。
『心技体の充実が素晴らしいパフォーマンスを生み出す』ということ。部員にはいつも言っていることだし、何となくココにも前に書いた気もするのだが。何かの本だったかでこんなことを学んだ。私自身おさらいのつもりで書いてみる。〝心技体は足し算ではありません。掛け算だと思いなさい。素晴らしい技術があっても、恵まれた身体能力があっても、充実した心がなければチームに貢献などまったくもって出来ません。やる気が十分にあっても、体が大きくても、必要とされる最低限度の技術、求められるテクニックがなければ残念ながら役に立ちません。気持ちがあって、スキルがあっても、体調管理が不十分だったり怪我を抱えていればメンバーにすら入れません。つまり何かがゼロであればすべてゼロと同じです〟。心技体を一つでもレベルアップできるように。そして心技体を一つもゼロに落とさせないようにするのが指導者の役目だと思う。
帰りの高速道路。東名高速で予想をはるかに超えた渋滞(三ヶ日~岡崎でなんと4時間オーバー…!!)によって深夜に安城着(保護者の皆様、その節は大変申し訳ありませんでした&お迎え協力ありがとうございました)。私自身、帰宅して初めて疲れを実感している。(帰宅して2日目でやっとパソコンに向かっている笑。)
マネージャー、選手、ともに…よくぞ堪えて…よくぞ頑張った。この経験は…この学びは…必ず生きる!必ず活かす!
追伸 浅草、楽しかったね♪(先生はマイクロだったけど笑)
差し入れたくさんありがとう!コーヒー代、浮いた笑♪